救急・集中治療科についてご挨拶
本教室の歴史は、1961年に東京大学医学部附属病院において救急処置室が設置されたことに始まります。1981年から救急部専業方式の診療が開始され、以降、本教室が継続して当院における救急医療を担当しています。1991年には集中治療部が設置され、2001年入院棟A移転に伴うICU開設に伴い、本教室が集中治療医療の主体として活動を行っています。一方、東京大学医学部においては、1990年に国立大学では2番目の救急医学講座が新設され、2022年からは講座名を救急・集中治療医学に変更しました。
救急医学・集中治療医学は比較的新しい学問領域で、社会と医療の変化に伴い発展してきた経緯があります。緊急度と重症度の高い病態における救命を目的とした診断および治療方法の開発を目指します。その守備範囲は臨床医学のみならず基礎医学および社会医学もカバーしており、広い視野を持って医療と医学の発展に挑むことが求められます。
幸いなことに本教室には優れた人材が集まっており、東京大学医学部附属病院における最後の砦となる救急医療・集中治療を高いレベルで行っております。今後はさらにアカデミックな活動性を高め、優れた診療実績と研究成果を世に示し、救急医学・集中治療医学のカバーする幅広い分野において、「日本を代表する救急医・集中治療医を東京大学から輩出する」ことが私の願いです。救急医学・集中治療医学が新しい局面を迎えつつある今こそ、東京大学から数多くの発信を行うべく、診療・研究・教育に邁進して参ります。