2021年6月30日研究課題「消防庁救急蘇生統計データベースを用いた院外心肺停止患者の予後に関する因子の検討」へのご協力のお願い

研究課題

消防庁救急蘇生統計データベースを用いた院外心肺停止患者の予後に関する因子の検討

研究機関名及び本学の研究責任者氏名

この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。

研究機関 東京大学大学院医学系研究科・救急・集中治療医学教室
研究責任者 教授 土井研人
担当業務 データ解析、データ管理

研究期間

承認日 ~ 2026年6月30日

本研究は長期にわたる研究を計画しています。記載の研究期間終了後も継続する場合は研究期間延長の申請を行う予定です。

研究目的

目的

本研究は、我が国において救急搬送を要した全ての院外心停止患者の情報を記録した大規模な行政データである消防庁救急蘇生統計を用いて、院外心停止患者の転帰に寄与する因子を明らかにすることを目的とします。

研究に至る背景

わが国では、毎年約12万人の院外心停止患者が救急搬送されており、その治療成績は極めて不良(1ヶ月後の生存率は約10%)で、治療成績の向上には臨床試験によるエビデンスの蓄積が不可欠です。わが国では、救急搬送を要した全ての院外心肺停止患者の、年齢・性別などの基本情報、病院前救護に関する情報、転帰に関する情報が消防庁によって記録されています。この行政によって確実に収集されたビッグデータを用いることで、従来の各施設で行われてきた小規模研究と比べて、データの偏りを排したより質の高い研究が可能になり、本研究結果は院外心停止患者の転帰の改善に貢献することが期待されます。

研究方法

東京大学医学部附属病院救命救急センター・ERにて、消防庁救急蘇生統計に関するデータベースを用いた研究を行います。使用するデータは、消防庁救急企画室により既に個人を特定できない状態に匿名化された救急蘇生統計に関するデータベースの提供を受け、これのみを用いて解析を行います。

1. 対象

観察、および検査項目にデータ欠損を伴う症例を除き、消防庁救急蘇生統計データベースに登録された対象期間(2005年1月から2017年12月)の全院外心肺停止症例

2. 評価項目

主要評価項目:1ヶ月後の神経学的転帰、副次的評価項目:1ヶ月後生存率

3. 主要解析

院外心肺停止患者の疫学調査、予後に影響を与える因子の要因解析

4. 観察,および検査項目

発生年月日、性別、年齢、心肺停止の目撃の有無、バイスタンダーCardiopulmonary resuscitation(以下CPR)の有無、初期心電図波形、病院前救護における二次救命処置の有無とその内容、American Heart Association(以下AHA)の提唱する蘇生中止基準(Termination of Resuscitation(以下TOR) criteria)への該当の有無、心肺停止の推定原因、推定心停止時間、搬送に要した時間、心拍再開の有無、1ヶ月後の脳機能カテゴリー、1ヶ月後の生存の有無

なお、研究計画書や研究の方法に関する資料を入手・閲覧して、研究内容を詳しくお知りになりたい場合は、末尾の連絡先にお問い合わせください。他の研究対象者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲でご提供させていただきます。

研究参加の任意性

本研究は連結不可能匿名化された行政データのみを用いて行う研究であり、個々の研究対象者から同意を得ることはできず、倫理指針で個別の同意が必要な研究の対象外となっています。ご自身やご家族の診療情報が研究に使用されることをご希望されない場合でも、個人の識別が不可能で、研究対象から除外することはできません。 本研究は、わが国の救急蘇生の発展のために行われる社会的重要性かつ公益性の高い研究であり、ご理解とご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

個人情報の保護

この研究にご参加いただいた患者さんの情報・データは、消防庁救急企画室により、氏名・住所・生年月日などの個人情報を削って個人が特定できないよう匿名化された状態で提供を受けます。そのためこの研究に関する個人の情報につきましては対象となる患者さん本人(またはご家族)にもお知らせすることはできません。

研究結果の公表・開示

研究の成果は、研究にご参加いただいた患者さんの個人情報が明らかにならない状態で、学会発表や学術雑誌及びデータベース上等で公表致します。結果について、個人的なお問い合わせがあった場合、個人の情報については前述のようにお伝えすることはできません。また、全体の結果についても学会発表や学術雑誌及びデータベース上等で公表する結果以外に関してはお伝えすることはできません。

研究対象者にもたらされる利益及び不利益

この研究が、研究にご参加いただいた患者さんに直ちに有益な情報をもたらす可能性は高いとはいえません。しかし、この研究の成果は、今後の心肺停止患者さんに対する救急蘇生の発展に寄与することが期待されます。したがって、将来、社会全体にとって利益をもたらす可能性があると考えられます。

研究終了後の情報等の取扱い方針

消防庁救急企画室より提供を受けた資料(データ)は、この研究のためのみに使用いたします。
本研究に関わる記録・資料は研究責任者のもと研究終了後 5 年間保管いたします。保管期間終了後、本研究に関わる記録・資料は個人が特定できない形で廃棄します。

あなたの費用負担

今回の研究に必要な費用について、患者さん本人(またはご家族)に負担を求めることはありません。なお、患者さん本人(またはご家族)への謝金は、ありません。

研究から生じる知的財産権の帰属

この研究によって生じる可能性のある知見についての知的財産権は、研究にご参加いただいた患者さん本人(またはご家族)には帰属致しません。

この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。
なお、この研究に関する費用は、東京大学大学院医学系研究科・救急・集中治療医学教室の運営費交付金から支出されています。
本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。
研究内容の変更に関する情報については、下記連絡先に記載の診療科HPに情報を公開し、お知らせする場合がございます。
この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。

お問い合わせ先

連絡担当者:土井研人
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院医学系研究科・救急・集中治療医学教室
東京大学医学部附属病院 救命救急センター・ER
Tel: 03-3415-5411
e-mail:todaiqq@m.u-tokyo.ac.jp

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