2022年4月25日本邦におけるCOVID-19感染患者治療の疫学的調査に関するお知らせ
当院ではCOVID-19感染患者治療の疫学的調整のための多機関共同研究に参加しております。この研究は本邦におけるCOVID-19感染症にかかる臨床データ・治療内容を後方視的に解析し、病態解明・治療法開発の一助とすることを目的としております。また、本研究は、全国の他施設でのデータを収集して行い、本邦独自の疫学的評価を行うことを目的としています。
この研究の対象者に該当する可能性がある方で、診療情報等を研究目的に利用または提出されることを希望されない場合は2025年12月31日までに末尾に記載のお問い合わせ先までご連絡ください。
研究課題
本邦におけるCOVID-19感染患者治療の疫学的調査
研究機関名及び本学の研究責任者氏名
この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
研究機関 | 東京大学大学院医学系研究科救急・集中治療科学講座 |
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研究責任者 | 教授 土井 研人 |
担当業務 | データ収集・匿名化・データ解析 |
共同研究機関
主任研究機関 | 広島大学大学院医系科学研究科 救急集中治療医学 |
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研究代表者 | 教授 志馬 伸朗 |
担当業務 | データ収集・匿名化・データ解析 |
研究機関 | 京都府立医科大学附属病院 麻酔科 |
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研究責任者 | 部長/病院教授 橋本 悟 |
担当業務 | データ収集・匿名化・データ解析 |
現時点では未定ではあるが、日本救急医学会・日本集中治療医学会・日本呼吸療法医学会・日本感染症学会・日本化学療法学会・日本呼吸器学会に所属する全国の機関に依頼しており、共同研究機関は今後増える予定
この研究に利用する資料・情報は共同研究機関の範囲のみで利用されます。
研究期間
承認日~2025年3月31日
対象となる方
2020年1月1日 ~ 2025年3月31日の間に当院救急・集中治療科でCOVID-19感染症に対して治療を受けた方
研究目的・意義
2019年12月、中華人民共和国の湖北省武漢市で新型ウイルスによる肺炎の集団発生が報告された。このウイルスは新型コロナウイルスとして、COVID-19と称されています。COVID-19による感染は世界的に流行し、WHOでは2020年1月30日に緊急事態宣言を行い、3月11日にはパンデミックの宣言がおこなわれました。世界的には中国以外にも感染患者が拡大し、欧米諸国をはじめ、2021年8月8日時点で感染者数は2億人、死亡者数は4百万人を超え、感染者の人数は日々数十万人を超えるペースで増加しています。しかし、日本では1月16日に初めて患者が報告され、2月1日に指定感染症に指定されました。現在(2021年8月20日時点)、本邦でのCOVID-19感染が確認された患者は100万人を超え、死亡者数は15000人を超えています。この新規ウイルスによる感染症にはまだ確立された治療方法がなく、現在行われている治療は、これまでの他ウイルス疾患や肺炎などの治療の経験に基づくところが大きく、本感染の疫学的検討や治療方法に関するデータの集積・解析が、今後のCOVID-19感染症治療の確立には急務であります。そこで今回の研究の目的は、日本におけるCOVID-19感染症における臨床データ・治療内容を解析し,病態解明・治療法開発の一助とすること、また広島大学主導で全国の多施設でのデータを集め、日本独自の疫学的評価を行うことを目的としています。
研究の方法
対象となる方について
年齢は問わず、性別男女問わず、2020年1月1日から2025年3月31日の6年間に東京大学医学部附属病院で検出されたCOVID-19による感染患者を対象としています。
研究期間
医学倫理審査委員会承認後から2025年3月31日
方法
カルテより以下の情報を取得し使用します。測定結果と取得した情報の関係性を分析します。
研究に用いる情報について
患者背景情報(年齢、性別、身長、体重、病名、現病歴、既往歴、併存症、内服歴、重症度など)、画像診断(X線写真、CT検査、超音波検査など)、バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数など)、治療・管理で使用した薬剤、デバイス(気管挿管、透析など)、検査(動脈血ガス分析、一般血液、血液生化学、ウイルス、血液培養、各種細菌学的検査など)
外部への試料・情報の提供
広島大学へあなたの取得した情報を匿名化して送り、解析を行う予定です。提供の際、氏名、生年月日などの患者さんを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。
なお、研究計画書や研究の方法に関する資料を入手・閲覧して、研究内容を詳しくお知りになりたい場合は、末尾の連絡先にお問い合わせください。他の研究対象者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲でご提供させていただきます。
これまでの診療でカルテに記録されている血液検査や尿検査結果、画像検査などのデータを収集して行う研究です。特に研究対象者の皆さんに新たにご負担いただくことはありません。
個人情報の保護
この研究に関わって収集される資料・情報は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
収集した資料・情報は、広島大学大学院医系科学研究科救急集中治療医学に送られ解析・保存されますが、送付前に氏名・住所・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないようにします(このことを匿名化といいます)。匿名化した上で、研究責任者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコン、鍵のかかるロッカー等で厳重に保管します。ただし、必要な場合には、当診療科においてこの符号を元の氏名等に戻す操作を行うこともできます。
この研究のためにご自分(あるいはご家族)の情報・データ等を使用してほしくない場合は主治医にお伝えいただくか、下記の問い合わせ先に2025年12月31日までにご連絡ください。研究に参加いただけない場合でも、将来にわたって不利益が生じることはありません。
ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせていただきます。
研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌で公表します。
収集した情報・データ等は厳重な管理のもと、研究終了後10年間保存されます。保管期間終了後には、細断又は溶解処理を行い、ファイルはコンピューター上から確実に消去します。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。
この研究は、東京大学医学部倫理委員会および広島大学疫学研究倫理審査委員会の承認を受け、東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。
この研究に関する費用は、東京大学大学院医学系研究科・医学部救急・集中治療科学教室の運営費から支出されています。
本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。尚、あなたへの謝金はございません。
この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記までお問い合わせください。
2022年4月
お問い合わせ先
研究責任者:土井 研人
連絡担当者:前田 明倫
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院医学系研究科・医学部 救急・集中治療科学教室
電話:03-3815-5411 FAX:03-3814-6446
e-mail:todaiqq@m.u-tokyo.ac.jp